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2024.03.03

84リニューアルプロジェクト ♯14

今回のリニューアル
プロジェクトの始まりから
終わりまで、現場で静かに
佇み、にこにこと笑顔で
見守っている人がいました。

 

三角屋の現場監督、
上田(うえだ)幸信さん。

 

初めてお会いした時、
現場監督さん、とお聞き
しても監督??設計士さん?
と何のお仕事を担当されるのか
皆目見当がつきませんでした。

 

プロジェクト初日。大工さんは
8時にと約束したら7時半には
いらっしゃる。そんな事もまだ
知らない私たちが8時ギリギリ
に慌てて向かうと、上田さんは
ニコニコ待っていてくれました。

 

翌日到着する大工さん達を待つ間
図面を確認し、その通り墨を打ち、
丁寧に巾木を切り取って行きます。

 

静かに、コツコツ現場が整って
いくのが素人目にも分かります。

 

上田さんは、やっぱり大工さん
的なお仕事なのかな。と、その
時点ではまだ思い込んでました。

 

それがいざ職人さん達が集まり
工事が始まると、手を止めて、
現場の人達がやりやすいように
少し声をかけ、静かに見守る。

 

たったそれだけ。なのに緊張

されているであろう大工さんや

施工の人たちの雰囲気が不思議と

良くなっていきました。それで、

私たちまでワクワクしてきたのです。

 

これが現場監督というお仕事なのか、と。

 

オーケストラにたとえるなら指揮者です。

マエストロ小澤征爾さんの、いくつに

なっても何度演奏したものでも楽譜を

しっかり読み込み、演奏に臨むという

話がふと頭に思い浮かびました。

 

上田さんも、きっと、
穴が開くほど図面を見ている。

 

今思い返してみると、上田さんは
設計する人、大工さん、電気屋さん、
水道屋さん、搬入、スケジュールなど

 

全ての動きをしっかりと把握して、

自分事にしてこのプロジェクトに

関わっているからこそ、聞きたい質問に

何でもすぐに答えてくれていました。

 

全部に(穏やかに)ちゃんと
関わっている事。必要な時を見極めて
声を掛け、あとは見守っていること。

 

その姿勢は何かに関わっていく時に
とても大切な事なのではないでしょうか。

 

このリニューアル工事後、
広島の現場監督、沖本さん
も「楽しかったですね」と

声を掛けて下さいました。

 

「上田さん、三角屋さんと
ご一緒出来て本当に良かった。

10年後、自分も上田さんみたい
になっていけたら。」

 

ともお話ししてくださいました。

 

広島で一緒に工事をして下さる方、
とご相談を受けたとき、一番に
思い浮かんだ沖本さん。

 

そんな風に感じてくださり、
そんなお二人に見守ってもらって
工事が無事終わった事が
大変嬉しかったです。

 

リニューアルプロジェクトは

15話につづきます。