84

News

2024.04.22

MAROBAYA*PATCHED

お天気や四季が移り変わっていくように

MAROBAYAさんの布たちも、その時の

気候や環境で糸の状態が変わります。

 

乾燥が強い日、織られている糸が

切れてしまったりする。

 

そこに生じる小さな小さな穴。

それが完成時に見つかると

「まっさらで傷のないもの」以外は、

世に言う「B品」となり人知れない

場所へと雪のように留まってゆきます。

 

MAROBAYAの木村さんは

B品と呼ばれる世界に佇み、

あるものとあるものを組み合わせて

手を動かし、心を動かし、新たに

いちまいの服に仕立てました。

 

私たちがはじめてその服をみたとき、

同じものにはもう2度と出会えない。

運命みたいな一着。と思いました。

 

「まっさらで傷のないものを選ぶことも、

もちろんできるけれど。少し穴の開いた服も、

選択肢の中にあっても良いのでは」という

木村さんの言葉そのままに、繕われ、手当て

された洋服たちはただただ本当にカッコよい。

 

無駄にしたくない、とか、繕って使うことが

尊いとか、そういう意味づけからは離れて、

どこまでも自然で静かに生じたこと。

 

そんな穏やかな心持ちで繕われた

このシリーズは「PATCHED」と言います。

あたらしいものという概念そのものを覆す

MAROBAYAのPATCHED*という試みは

ただの選択肢になると良いなと思います。