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2023.12.08

AFTER TALK

ただいまゲンビで絶賛開催中の
Glass Tableware in Still Life
のアフタートークを終えて、まず、
参加して下さった皆様に心より
お礼を申し上げます。

 

よくアメリカのドラマに出てくる
読書会みたいなスタイルで、円に
なってすわりながら、「私はこう思う」
「あれはいったい何だったのか?」

 

という直接的な質問が飛び交うのかなと
思ってたのですが、フタをあけてみれば、
「わかる」「わからない」という二元論から
もっと自由になったらいいなという
お話がとっても印象に残りました。

 

言葉にすることはとっても大事ですが、
答えは日々かわっていくもの。
展示会場で日々見守り続けている
現美のスタッフの方たちからも、
「わかりたい」という心の動きを
垣間見ることが出来た気がします。

 

「答えはできるだけ先延ばししつつ
考え続けることが大事」という本展覧会を
担当された学芸員の竹口さんの言葉も良かった。

 

アフタートークのテーマでもあった
「階段の踊り場」もきっとそうゆう場所。
登り切るけど、降りてみたりもできる、
聞くだけじゃなくって少し話してみると
考えるヒントに出合える機会になったのかな。

 

広島によき美術館という場所があって、そこでは
普段とは違うゆったりとした空間で作品が観れる。
それを勝手に応援するお店があって、観る人が
その間を自由に行ったり来たりする。

 

そこに間があることで、考えたり、感じたり、
気づいたりする機会が増えるはずだ。展覧会中
はるばるスウェーデンから山野さんも広島にいらしたし、
写真家の三部さん、そして本と空間構成をデザインした
須山さんにも会えた。まだ終わってはいませんが、
今回のような素晴らしい企画を広島で
開催してくれたことには感謝でしかありません。

 

そう、アートは観る人のためだけにあるではなく、
観た人から聞いた話や、観た人の子どもやその近所の
人にもなんらかのカタチで伝わったり、染みこんだり
していくもので、まだ観ていない人が

 

「なんだかわからないけど行ってみようかな」

 

と思ってくれることのなかに現代美術の楽しみ
があるのかなと考えます。84は「わかりたい」
の橋渡しになる場所でありたいと思います

 

山野アンダーソン陽子と18人の画家」は
2024年1月8日まで。ぜひお運び下さい。