無くてはならない日用品のひとつにほぼ日手帳
がある。といってもよく見る一年手帳ではなく
って、五年手帳を使っている。何がいいかって
革張りの手触りの良さや、開いたページが閉じ
ないような製本の工夫だ。正直に告白すると、
最初は使わない日が多かった。書くことがなか
ったのではなく、カレンダーに書き込むのが気
に入っていたからだ。ただお店を続けて一〇年
以上経つと、忙しいときに頭がパンクしそうで、
段取りの大切さを痛感した今は毎日のように開
くようになった。たとえば使い方はこうである。
今日一日の予定、やるべきこと、忘れてはいけ
ないことを、朝一番に書き出しておく。それを
仕事をしながら確認するＴＯＤＯリストのよう
にチェックしていく。打ち合わせもこの手帳に
アイディアを書き込むし、本を読んで印象に残
った文章も書き写したりしている。たまに美味
しかった料理なんかを書いておくと、記憶とと
もに思わず唾液が出てくるのが面白い。昔はノ
ートに書いて保管しておいたのだけど、必要な
ときに一カ所にまとまっていると見つけやすい。
しかも五年手帳だから五年分がアーカイブのよ
うに重なって自分だけのアイディア帳にもなっ
ている。そろそろ五年が埋まろうとしているが、
次の五年もほぼ日の五年手帳のお世話になりそ
うだ。一〇〇歳まであと六〇年ほど、手元に
一三冊を揃えるのが個人的な目標でもある。