84

News

2022.03.10

R U N【Episode 1】

こんにちは、84です。

3月18日よりはじまる

日本発のスポーツブランド
HERENESS〈ヒアネス〉の
POP UP SHOPを開催するに
あたり、メールマガジンで
配信した「走るまで」のお話を
HPでも会話形式でお届けします。

 

【私たちが走り始めるまで】

 

(Y)意外に思われるかもしれませんが、

   店主の(H)は走るのがとっても早いんです。

   もともと陸上の中距離をしていたそうです。

   見た感じはあまり本気で走ってなさそうに見えます。

 

(H)この間もね。

 

(Y)急ぎの用事で、先に行っとくね、と声をかけられて

   ちょうど下を向いてたので「分かった...」と

   返事して顔をあげると、うんと先の方に頭が見えました。

 

(H)笑

 

(Y)余談だけど、東京や京都に行った時は、学生時代に

   住んだ事のある(H)さんについて行く感じなのですが、

   どのぐらいかかるかね?と聞くと

 

(H)歩いたらすぐよ、と。

 

(Y)どこまで歩いても全然到着しない(笑)歩き疲れて

   目的地が蜃気楼のごとく(笑)

 

(H)何回かそういう事があって、ちょっと遠いかな、

   と言うようになったよね。

(Y)ほんと健脚。それでも、遠いのはちょっとかな?

   となぜか思ってしまうという(笑)

   歩くことそのものは嫌いじゃないからかな。

   なので、運動は嫌いではない方だと思うのですが、

   いざ走るとなると、ただひたすらつらいだけの

   中学や高校時代の持久走のイメージしかなくて、。。

   走ることは大の大の苦手でした。

 

(H)何年も前に、久しぶりにジョギングしたいから、と

   ランニングウェアを買うのに付き合ってもらったよね。

 

(Y)スポーツウェアのお店、入ったのはほぼ初めてだったかも。

   うきうきとランウェアを選ぶHさんの姿と、すっきりと

   したシルエットウェアにアクティブな雰囲気のお店の方、

   走り出したくなるようなアップテンポな音楽に囲まれて、

   なんだか別の惑星に来たようで、自分には関係ないなと

   ひたすらすみっこのほうで待っていました。

 

(H)遠い目して待ってたね(笑)

   走れっていう重圧が~、とコントみたいに、

   足早にお店を出てたね。

 

(Y)M.U.R.I,ムリ!、無理~!って逃げるように出たよね(笑)

 

(H)それから何年かした後にコロナがやってきて

   外出が極端に減ったよね。出張にも行けなくなって。

 

(Y)そうね。元々、家でじっとするのが好きですし、

   お店にいることも好きだったし、やることもいくらでもあったので

   出かけられないことはまったく苦ではなく、気がつくとほぼ1週間とか

   外に出ず、もくもくと作業をする日が増えてきました。

 

(H)毎日そうして過ごしていると、なんだか少しずつ元気がなくなって

   いったよね。

 

(Y)基本的にすごく前向きな、明るい性格の家族に囲まれているので

   元気に過ごしていたのですが、そうは言っても先の見えない

   不安な気持ち、これでいいのかなとか、焦る気持ちがじわじわと

   蓄積していってるのかなと思っていました。

 

(H)夏のある日、「お散歩に行こう」と誘って子供と一緒に

   マスクをして、広島城のお堀まわりを歩いてみました。

   夕焼け空がとてもきれいで、なんとなくしなびていた雰囲気

   から、心なしか元気になっていったように見えました。

 

(Y)そこから折りを見て散歩に行くようになったのが、まず始まりでした。

   ただお散歩する時間を捻出するのが、意外と大変で。

   ある日、散歩に出てみたものの、焦ってちょっと小走りしてみたところ、

   店主に「すごい!走れたねぇ!!」と褒めてもらえたのです。

   そうやって、ちょっと小走りするたびに褒めてくれたので小走りの

   距離が伸びてきました。

 

(H)走るのは苦手!とずっと言ってたので驚きました。

   だから単純に、少しずつ頑張っているのがすごいなと思ったんです。

   これは、褒め続けてちょっとずつドアをこじ開けていくしかない!と(笑)

 

(Y)本当に、息切れもせず楽なペースでした。

   これは走っていることになるの?

   「もしかして、ジョギングって、持久走のように

   息切れして走らなくても良いのかな?」

   と聞くと、

(H)「そうよ!跳ねるだけでも運動になるよ!」と。

 

(Y)そこから、それならもしかしてジョギングできるかも?

   となって、しなびた気持に戻りたくない一心で、

   お気に入りの音楽と一緒に朝ウォーキング(小走り)を

   することにしました。あくまでもゆっくりです。

(H)ゆっくりってどのくらい?

(Y)ペースを例えると、昔話に出てくるような、縁側に座っている

   おばあちゃんが、頑張って走ってる感じかな。。

   さらに前を歩く赤ちゃんを抱っこしたお母さんに脱げてしまった

   赤ちゃんの靴下を「落としましたよ~」とお渡しするぐらいの

   優しいゆっくりペースです。

 

(H)例えが(笑)意外と昔のおばあちゃんは健脚そうだけど(笑)

   距離は?

(Y)じゃあ、そのおばあちゃんより遅いとして(笑)三キロぐらいでしょうか。

   近所のお城まで足をのばしてみました。

   どの時間に出かけても、犬のお散歩やウオーキングを楽しんでいる人が

   結構いらして、良い景色をたくさん見られた事も良かったです。

 

(H)そういえば、夏の夕方にスズメの砂浴びも見たよね!かわいかったね。

(Y)そうそう。かなり幸せな出来事がたくさん見つかりました。

   でも、小走りだとやっぱり朝の時間などは特に焦ってしまう。

(H)朝準備から着替え朝食まですごくバタバタしすぎて、本末転倒

   な感じもあったよね。時間なくて。

(Y)なので、徐々に(仕方なく)走るようになっていき、

   かかる時間を半分にしていきました。

   これは最初、すごくしんどかったです。

   すぐにバテて帰ってました。

 

(H)(Y)さんが、走ることをコツコツ始め出してから、これまで

   どことなく遠慮がちにジョギングに行ってたのが、のびのびと、

   走る事を楽しめるようになってきました。

   それが習慣とも言えるようになった頃、自分は運動不足だったんだな、

   とはじめて思ったのです。

(Y)なんだか、どんどん元気になっていったよね。私も気持ちが落ち込んだのは

   身体を動かす時間が足りなかったのかなと今は実感してます。

 

   【Episode 2】につづく