2016.08.02
革への想い
▲
ANDADURAの山本さんから
革への想いを綴ったお手紙が届きました。
職人さんを含め、素材づくりに懸けている
気持ちが伝わってきます。ご一読頂ければ幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
△
こんにちは、はじめまして。
8月4日から7日まで展示会をさせていただく
ANDADURAの山本と申します。
8 4 店主の大田さんより、
「革る6年、革らない6年」というテーマで
展示会に向けての文章を依頼頂きました。
DMの “6” という数字は革を巻いたイメージです。
大田さんが工房にいらっしゃった際には、
僕は革の話ばかりしていましたので、
大田さんが革という素材そのものにスポットが
当たるよう、掬い取って下さったのだと思います。
ですので、「革る6年、革らない6年」の変わる、
変わらないではなく革を作るということ
について書いてみたいと思います。
.
ANDADURAで使用している革は
オリジナルで作ってもらっています。
モノのベースになるもので、思い切って言えば、
素材が良ければ良いものになるし、
素材が悪ければ、それだけのものにしかならない。
だからこそ、日本の革で職人さんとともに
素材作りから行うことにしました。
.
革という素材はなま物で、その時その時で
上がり方が違います。あまりに異なる事が多い為、
「農作物みたいなもの」と考えるようになりました。
雨が少なかったりといった天候に左右され、
完全なコントロールはしにくい農作物の
ようなものだなと感じるからです。
.
ANDADURAをはじめて、
数多くの革を使ってきました。
革が届くと革屋さんに感想を伝え、
次に作る革の方向を決めてゆきます。
毎回毎回良くなるように、
作り方を少し変えては元に戻したりします。
ほぼ毎回微妙に異なるやり方で作ってきました。
.
革屋さんの良い革と、僕の考える良い革は
微妙に違います。僕は製品になった時に良い革を
良いものと考え、革屋さんは革としての良さを
求める傾向にあると思いますので、
毎度そのズレも話し合い、展示会にも来てもらい、
求める革を共有する作業も必要になってきます。
(革屋さんと話し合う為に、
携帯は話し放題プランにしたくらいです。)
.
毎回「今のベスト」を目指して作って
きました革ですが、ようやく求めるものが
安定するようになってきました。
素材は活動のベースですので、
6年をすぎ、ようやくベースが安定した訳です。
.
ANDADURAを始め「オリジナルな革で作る」
と決めた時、「5年は踏ん張ろう」と決めました。
生々しい話しですが、オリジナルで作る以上、
どんなものも買い取ります。ですので、
使える部位が少ない革が届くと、
ビールではなく発泡酒を飲む事となります。
.
あれこれ話し合い、時に揉めたりしながら、
首の皮一枚でつながっている状況に
なる事もありましたが、それでも、
信頼できる職人さんと素材から作れる事は、
常に喜びを感じます。そんな革がベースになって、
形が出来上がっています。展示会では、
お手にとって頂けたら嬉しいです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ANDADURA展 〜革る6年、革らない6年〜』
日時:8月4日(木)〜8月7日(日) : 11:00〜18:04
会場:84(はちよん)
広島市中区幟町7-10
082-222-5584
※初日の8月4日(木)は在店致します。
広島の84さんで5年ぶりの展示会です。
ANDADURAをはじめて6周年になるのかと、
数字をみると改めて時間を感じます。
岡山へと工房を移して初めての展示会です。
是非足をお運び下さい。