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2016.08.02

革への想い

ANDADURAの山本さんから

革への想いを綴ったお手紙が届きました。

職人さんを含め、素材づくりに懸けている

気持ちが伝わってきます。ご一読頂ければ幸いです。

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こんにちは、はじめまして。

8月4日から7日まで展示会をさせていただく

ANDADURAの山本と申します。

8 4 店主の大田さんより、

「革る6年、革らない6年」というテーマで

展示会に向けての文章を依頼頂きました。

DMの “6” という数字は革を巻いたイメージです。

p01

大田さんが工房にいらっしゃった際には、

僕は革の話ばかりしていましたので、

大田さんが革という素材そのものにスポットが

当たるよう、掬い取って下さったのだと思います。

ですので、「革る6年、革らない6年」の変わる、

変わらないではなく革を作るということ

について書いてみたいと思います。

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ANDADURAで使用している革は

オリジナルで作ってもらっています。

モノのベースになるもので、思い切って言えば、

素材が良ければ良いものになるし、

素材が悪ければ、それだけのものにしかならない。

だからこそ、日本の革で職人さんとともに

素材作りから行うことにしました。

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革という素材はなま物で、その時その時で

上がり方が違います。あまりに異なる事が多い為、

「農作物みたいなもの」と考えるようになりました。

雨が少なかったりといった天候に左右され、

完全なコントロールはしにくい農作物の

ようなものだなと感じるからです。

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IMG_2688

ANDADURAをはじめて、

数多くの革を使ってきました。

革が届くと革屋さんに感想を伝え、

次に作る革の方向を決めてゆきます。

毎回毎回良くなるように、

作り方を少し変えては元に戻したりします。

ほぼ毎回微妙に異なるやり方で作ってきました。

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革屋さんの良い革と、僕の考える良い革は

微妙に違います。僕は製品になった時に良い革を

良いものと考え、革屋さんは革としての良さを

求める傾向にあると思いますので、

毎度そのズレも話し合い、展示会にも来てもらい、

求める革を共有する作業も必要になってきます。

(革屋さんと話し合う為に、

携帯は話し放題プランにしたくらいです。)

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IMG_2687

毎回「今のベスト」を目指して作って

きました革ですが、ようやく求めるものが

安定するようになってきました。

素材は活動のベースですので、

6年をすぎ、ようやくベースが安定した訳です。

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ANDADURAを始め「オリジナルな革で作る」

と決めた時、「5年は踏ん張ろう」と決めました。

生々しい話しですが、オリジナルで作る以上、

どんなものも買い取ります。ですので、

使える部位が少ない革が届くと、

ビールではなく発泡酒を飲む事となります。

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あれこれ話し合い、時に揉めたりしながら、

首の皮一枚でつながっている状況に

なる事もありましたが、それでも、

信頼できる職人さんと素材から作れる事は、

常に喜びを感じます。そんな革がベースになって、

形が出来上がっています。展示会では、

お手にとって頂けたら嬉しいです。

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『ANDADURA展 〜革る6年、革らない6年〜』

日時:8月4日(木)〜8月7日(日) : 11:00〜18:04

会場:84(はちよん)

広島市中区幟町7-10

082-222-5584

https://84-hachiyon.com/

※初日の8月4日(木)は在店致します。

 

広島の84さんで5年ぶりの展示会です。

ANDADURAをはじめて6周年になるのかと、

数字をみると改めて時間を感じます。

岡山へと工房を移して初めての展示会です。

是非足をお運び下さい。